UP TO YOU!!
「麻美ちゃんとの久しぶりの夜はどうだったよ」
昼飯のそうめんを汁につけながら、京太はいたずらに上目遣いをする。
「・・・別に」
「とか言っちゃって~。
目の下クマすごいよ?寝不足?そんなに激しかったわけ?」
「久しぶりだったからね。」
「うえっ?!マジかよ
おれなんか、毎日毎日二次元で我慢してるのに」
夜中消えた麻美のぬくもりは、朝になったら腕の中に戻っていた。
そして、お昼前までだらだらと過ごした後、予備校に行くというので家まで送っていった。
「何言ってんだよ、トラジャムのドラマーが。
女なんて選び放題だろ?」
氷の上で冷え切ったそうめんをすする。
喉を通る冷たさが気持ちいい。
「んなことねーよ、ドラムって目立たないしさ。
それより、麻美ちゃんってどうなの?」
「は?なんでお前にそんなこと言わなきゃいけねーんだよ」
「い~じゃん、俺の今後のために。」
「きもちわりーよ、童貞じゃあるまいし」
「ケチ。良いか悪いかくらい教えたっていいじゃん」
京太は、唇をへの字に曲げて、ふてくされた顔をする。
傍から見たら、なんと異様な光景だろう。
同じ顔の男子高校生が、思春期の性事情についてそうめんをすすりながら語っているのだから。