UP TO YOU!!


「あっつ」


予備校の中のクーラーが効いていた分、
外はとてつもなく暑く感じた。
ジリジリと照りつける陽射しに、身体の表面がジワっと反応する。


携帯で時間を確認すると、まだ14時だった。

何もこんな1番暑い時間に帰ることなかったか。

俺は少しだけ後悔して、涼しくなる夕方まで、どこかで時間をつぶすことに決めた。




麻美のことは、
1年生の頃から知っていた。

周りの奴らが
可愛い可愛いと騒いでいたからだ。

確かに彼女は、飛び抜けて可愛く、
まるで漫画のヒロインのような雰囲気を持っていた。


そんな麻美とちゃんと知り合ったのは、
2年生の4月。

同じクラスになったのをキッカケに、仲良くなった。

そして、その2ヶ月後に告白された。

特に好きとか、
そういう類の感情を持ったことはなかったが、嫌いじゃなかったからOKした。
なんとなく付き合って、なんとなく続いている。




「漫画喫茶、@コミックで~す。お願いしま~す」

満面の笑みとともに、
手元にズイっと派手な広告の入った
ティッシュが差し出された。

反射的に受け取って、目を通す。
3時間1000円か。
クーラーも効いてるだろうし、
暇つぶしにはちょうどいい。

小さく書いてある地図を見てみると、
何度か行ったことのある場所だった。





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