UP TO YOU!!


家、暑いだろうな。
どうせまだ誰も帰っていないだろうし。
また予備校戻るか・・
いや、麻美まだ居るだろうし・・・めんどくさい。


「君、高校生?」


おつりを待ちつつ、
このあとどうするか考えていると、
麻美似の店員がいきなり話しかけてきた。


「え?あ、そうですけど」

「そっか、じゃあいいよ。お金。」

「は?」

「お金いいって。
さすがに5分で1000円は可哀想だし。
君、来てないってことにしとくからさ」

「はぁ。」


圧倒される俺に、
店員は5000円札を突きつける。


「あの・・いいんすか?」

5分で1000円には確かにイラついたが、一銭も払わないとなると、それはそれで申し訳ない気がした。


「いいよ、気にしないで。
またのご来店お待ちしております。」



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