両手いっぱいに溢るる涙
「ホント、恨むからなぁ!!」
「ごめんってば」
「そんなに怒らんでもいいやんかぁー」
部活も終わり、葉織は緋空、すーずこと住田鈴音(すみだ すずね)と帰る。
「だって、亜耶先輩と神威先輩の表紙、裏表紙の部誌の目次なんて、無理やもん」
「そんなん、すーずだけやないし」
「まあまあ」
葉織と鈴音の間に緋空が入る。
「でも、亜耶先輩達と部誌作るんも、今回で最後やもんなぁ~」
「そうやね。引退しても部活には遊びに来てくれるけどね・・・・・」
緋空は少し寂しそうな顔をした。
「まっ、そんな部誌や。頑張れ、葉織」
「人事やと思いやがってぇっ!!!」
と葉織は鈴音の頬をある程度手加減しながら引っ張った。
「目次だから、スペース開けないとなぁ・・・・・」
葉織は、机に向かって原稿用紙を広げて考えていた。
「・・・・・・・」
iPodで音楽を聴きながら描いていく。
そして20分程で下書きが完成した。
(あとはペン入れとトーン貼りやけど・・・・もうこんな時間やな。寝よ・・・・)
と筆箱にシャーペンや消しゴムを入れて、筆箱を鞄に投げ入れてから、ベッドに潜り込んだ。