両手いっぱいに溢るる涙
どうしても、設定を積み込んでいくと短いページ数には収めきれないのだ。
なので、今回はイラストにしてみる事にした。
下書きの構図を考えながらシャーペンを動かした。
「出来た?」
「ううん、まだ。緋空はどう?」
「私もまだまだ」
永谷 緋空(ながたに ひそら)はブンブンと首を横に振った。
緋空も、葉織と同じく文芸部。
気が合う高校での初めての友達。
学校に居る時間、ほとんどが緋空と共に過ごしてるくらいだ。