両手いっぱいに溢るる涙
「締め切りっていつまでだっけ?」
「文化祭二週間前だから・・・・・あと約三週間あるよ」
「なんか、三週間って長いのか短いのかわかんないよねぇ」
「そうやね」
緋空は苦笑する。
と、ここでチャイムが鳴る。
緋空は、自席に着いた。
先生が入ってきて、国語総合の授業が始まった。
「おはよぉさん」
「もう、授業終わったんですけど・・・・・」
部活に行く時、隣のクラスの菅沢 澪(かんざわ みお)が葉織と緋空の肩に腕を組んできた。
「今日は部活なん??」
「うん。澪は、毎日やんなー」
「大変やね、ホント」
「もう、ほんましんどいでぇ!!!体中が限界の悲鳴、あげてるくらい」
澪は、とにかく楽しい奴だ。
いつだって、テンションが高い。
「でも、澪ちゃんが居たから女子バスケも全国大会に出れるんやから。頑張りや」
「あ、やっぱり、うちのおかげ??」
と程よい調子乗りだから皆から声を掛けられるのだ。
「目指すは、日本一。頑張れ!」
「うん、頑張るわぁ。葉織たちも部活頑張りやぁ」
「特に頑張ることないけど頑張るわぁ」
葉織の言葉に澪は笑って廊下を走った。