両手いっぱいに溢るる涙
「うちらも行こっか」
緋空が歩き始める。
そのあとを葉織は、追った。
「ちわっす!!」
「扉ぶっ壊れるから乱暴に扱うな」
文芸部の部室は、新聞部と共同に使っている。
というか、本来ならば新聞部の部室なのに、文芸部が乗っ取ってる形だ。
哀れ、新聞部・・・・・・・。
「ちわぁーす」
「お、全員揃ったんちゃうん?」
「せやね。んじゃぁ、表紙と裏表紙、目次、誰が書く?」
と早速本題に入る部長。
「亜耶で、表紙いいんじゃねぇ?」
「えぇー。うちぃ???」
部長、亜耶先輩はだるそうな声をあげる。
「いいやん。最後になるかもしれんし」
「じゃぁ、裏表紙、神威、お前な」
「わかった、やりますよぉー」
と神威先輩は口を尖らせながら言った。
文芸部の部員は、それぞれあだ名を与えられるのがしきたり???だったりする。
それが、名前と一切関係なくてもつけられる。