猫になった僕
夢の中の僕の背中には大きな白い羽がついていて、
お空をびゅーんと飛べた。
すごーく気持ちよくって、僕はどんどんお空の高い所まで飛んでいった。
白い雲の中を飛んだ。
真っ青なきれいな海の上も飛んだ。
お家や車がおもちゃみたいに小さくなった。
楽しくって楽しくってずーと、ずーっと空高く上がっていったら、
お星様が見えた。
きらきら、きらきらとってもきれいで、
ちっちゃくてかわいいお星様がたくさんたくさんあった。
 お星様をママにプレゼントしたらきっと喜ぶだろうなって思った僕は、
お空のもっともっと高い所まで飛んだ
 ずーっとずーっと高い所まで来て、もうちょっとでお星様に手が届きそうなところまで来たとき、
僕の背中の白い羽は、ぼきって音がして折れてしまって、僕はまっさかさまに落ちてしまった。
 ずしーんって音がして頭と背中がとても痛くて目が覚めた。
僕はベットの下に落ちていて、ずしーんてすごい音にびっくりしたパパとママがあわてた顔で僕のそばに来た。
 僕は、ママの顔を見てわあわあ泣いてしまった。
頭と背中もすごく痛かったけど、
それよりもママにお星様をとってあげられなかったことがすごく悔しくて、
僕はわあわあ泣いてしまった。
お星様をママにあげるんだって、わあわあ泣いてしまった。

 あの時みたいにパパとママは来てくれない。

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