猫になった僕

仲間?

僕はもうとっくに目が覚めている。
これは夢じゃあない。
いつも困ったときに僕を助けてくれるマリさんにも、
僕のことが見えない。
 僕はいったいどうすればいいの。
もうママやパパやお姉ちゃんにも会えないの?
お家にも帰れないの?
僕は一人きりになってしまったの?

 とても淋しくて、
どうしたらいいのかわからなくて、
僕は泣いてしまった。
 猫になった僕は、
ミャーミャー泣いてしまった。

 一生懸命大きな声で泣いても誰も気づいてくれない。

もっともっと大きな声で泣いても、みんな知らん顔で、猫になった僕のそばを通り過ぎてしまう。

たくさん泣いて泣き疲れた僕が、あきらめかけた時、 
「泣かなくても大丈夫だよ」。

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