猫になった僕

逆さま？

「ヒロ君、猫たちは今何してる。」

そう言われて僕はもっと良く猫さん達を見てみた。

「三毛猫さん、猫さん達はみんな寝ているよ。」

「そう、寝ているだろう、だけど起きてもいるんだ。」

三毛猫さんは、なぞなぞみたいな事を言った。

「三毛猫さん、僕にはさっぱりわからないよ。」

そう僕が言うと、三毛猫さんは続けて言った。

「そうだな、僕らの仲間であるこの猫たちは、今、上の食堂でお茶を飲んでるかも知れないし、部屋でテレビを見ているかも知れないし、もしかしたらトイレにいるかも知れないってことだよ。」

僕はますますわからなくなってしまって、ぽかんと三
毛猫さんの顔を見てしまった。

「つまり、そうだな、ヒロ君に分かりやすく言ったらこの猫たちは、あおぞらのみんなの分身だよ。」

「ええっ！分身って、この間見た忍者の映画でやってたあの分身の術のこと！」

僕はびっくりして三毛猫さんの方にぐっと顔をつきだして聞いてしまった。

「うーん・・・まあそんな感じだけど、正確に言えばみんなの心、と言うか心のもっと下の方にあるホントの心の分身かな。」

三毛猫さんが難しいことを言うので僕は、またよくわからなくなって首を傾げてしまった。
そんな僕の様子を見て三毛猫さんは困ったようにこう言った。
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表紙・目次

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