猫になった僕
三毛猫さんは、なんだかちょっと誇らしげにそう言ったけど僕には、やすさんが誰なのかわからない。

「三毛猫さん、やすさんって誰なの?あおぞらにやすさんなんていないよね?。」

僕は、やっぱり、やすさんが誰なのかわからなかったので三毛猫さんに聞いた。

「そうだね、やすさんはあおぞらの郷にはいないね、そのうち姿を見せるだろうから、その時ヒロ君に紹介するよ。」

「やすさんならきっとヒロ君にもいろんな事を教えてくれるさ。」

僕は早くやすさんに会いたくなった。
早くやすさんに会って何がどうなっているのか、それからこれからどうなっちゃうのかを教えてもらうんだ。

「ヒロ君待つしかないよ、やすさんにもきっと君の泣き声は聞こえてるから、あわてなくてもきっとそのうち君の前に姿を現すからさ。」

三毛猫さんは僕の考えていることが分かっているみたいにそう言った。

「僕も今のヒロ君と同じだったからよくわかるのさ。」

僕は、三毛猫さんも僕みたいだったのかと思うと少しかわいそうになって悲しくて淋しい気持ちになってきた。

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