猫になった僕
いつも僕を手伝ってくれるお姉さんの誰かだろう。

戸を開けて僕を見たらきっと驚くだろうな。

猫は入っちゃダメッて外に出されちゃうかな?。

 でも夢だから大丈夫だよね?。

それに外に出てみたい。
猫の体で走り回ったらきっときっととても楽しいな。

 でも猫の手じゃあこの窓は重くて開けられないから、お姉さんに出してもらおう。

言葉が話せなくったって一生懸命お願いすればきっとわかってくれるよね?

きっと大丈夫、だってお姉さん達は言葉の話せない人のこともちゃんとわかるんだから。


 足音が僕の部屋の前で止まった。


コンコンっていう優しいノックの後、ゆっくりと静かに戸が開いた。

 戸を開けたお姉さんが僕の部屋に入ってきた。
僕はドキドキした。

僕の部屋で、猫になった僕を見つけたお姉さんがどんなにびっくりするか。

はやくその顔が見てみたかった。

僕の部屋に入ってきたのはマリお姉ちゃんだった。

僕はお姉さん達を呼ぶときお姉ちゃんとは言わない。
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