猫になった僕
おじいちゃんは抱っこしている小さな男の子に、大きな大きな橋を指さしながら言った。

「こんな大きな橋をつくるためにはたくさんの時間と、たくさんの人達の力と、たくさんのお金がかかるんだぞ」

って。

 ああこのおじいちゃん僕と同じ事考えてるって思うとちょっとうれしかった。

ちょっと不思議な気持ちにもなった。
 
 おじいちゃんは小さな男の子を海から吹く風から守るように抱っこし直してからまた話し始めた。

「だけどそれも初めにこの橋をつくろうって言った誰かのひとことから始まったんだ。
そのひとことから、みんなが集まって、たくさんの人達が力を合わせてこの橋ができあがったんだよ。」



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