LASTLOVE
あたし達は手を繋いで、遺跡へと向かった。これだけ小さな島だから、絶対ほかのペアに出くわすことはあるだろうし、いつ見られているかもわからないが、もう何があっても他のペアとは関わらないことにした。
遺跡に着くとあたし達は昨日閉じ込められた洞窟を改めて確認した。大きな岩が転がっていて、あの時のことを思い出すだけでも身震いした。

「よく出られたよな。」

「翔君に感謝しないとね。」

あたし達は、洞窟の裏側へと向かってみた。出られたのかが気になったからだ。
反対側は、意外と遠く、切り立った崖の近くまで続いていた。

「出口無いね。出られなかったんだ。」
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