LASTLOVE
崖には、たくさんの蔓植物が生えているが、土は用土というよりも人工的に見える。だが、ここまで人工的だと、脆くて海に浮かぶことさえ不可能だろう。

ここからでは、崖までは登れない。ゆうに100メートル近く高い崖を見上げあたし達はため息をついた。

あたし達は遺跡に戻ると、人工的な遺跡の一つ一つを確認しながら、何か違和感を感じた。

政樹が、思い切って遺跡の一つに体当たりすると、バキッという音とともに、政樹が倒れ込んだ。
あたしは、心配するより先に、遺跡に唖然としてしまった。

そこには、木に土を貼付けただけのガラクタが転がっていた。

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