LASTLOVE
「あ…あたしも…。」

「ん…?」

「彼を一人の人間としては死なせたくない。でも…どうしてもダメ…。」

あたしは、震えながら告げた。彼が死んだら自分のせいになる。一生罪の意識に苛まれる。それがわかっていても、自分を差し出すことはしない。それが、結論であり、ルールだから…。
あたし達は、海岸沿いで日が沈むのを眺めていた。
その時、どこかから、バラバラと音が聞こえてきた。
「なに…?」

見上げると飛行機だった。
「夢…!叫ぼう!」

「止まって!」

「助けてくれ!」

聞こえるはずなどないと思ったが、飛行機は崩れかけの崖に降りた。
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