LASTLOVE
「てか…政樹は…?」

あたしは、真っ青になるとフラフラと立ち上がった。
「…政樹もいるの?」

「うん…。一緒に車に乗ってたもん。」

「俺も奈緒と一緒だった…。」

「え…?奈緒と…?」

「うん。」

奈緒は春の彼女。正直苦手だった。春の新しい彼女っていうだけじゃなくて、あたしとは性格が反対の子だったから。

「そうなんだ。ここに居てもしかたないから、移動しない?」

春とここにいるのは、気まずかったし、政樹が心配だった。

「そうだな。」

あたし達は海岸沿いを歩いた。あたしが暗い森に入るのを躊躇したからだ。
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