生きて。笑いたい。




「きりーつ、れーい…」




日直が号令をかけて、先生の話が終了した。



「ねぇ。次体育でしょ?」


「あ!そっか!着替えなきゃ!」




そんな会話が聞こえてきた。



体育か…。


あたしもどうせ出れないけど、見学者も着替えなきゃなんない…………







ジャージを持って更衣室に向かって歩き出そうとすると、誰かに腕を掴まれた。



何となく予想がついたから、あたしは振り返らないで居た。



…だって、今までのペースでいったら



「神田!」


「…………」





やっぱり。吉濱だ…。




何なの?何であたしに話し掛けてんの?




止めてよ…!!




「構わないでってば…。」


「…ヤダ」




皆見てるんだから…!!





しかも、吉濱モテるから女子達が怖い…。




「なぁ、お前笑うんだな!」


「…………は?」


「俺笑ったとこ初めて見た!何でいつも笑わないの?」





……やっぱり、お礼の代わりとはいえ笑ったりなんかするんじゃ無かった。






「なぁ、何で笑わないの?」



「…………」





…言えない。






“どうせ死ぬのに、人と馴れ合いたくないから”



何て、



絶対に言えない。








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