生きて。笑いたい。





【吉濱】










俺が羨ましい。







そう言った友姫に、イラッとした







羨ましい………?…




自由に生きられる事がかよ………?…










馬鹿にしてんのかって思った。







こんなにも辛い自由が。欲しかった訳じゃないのに。







「…………~あー…」







病室から出て、歩いて帰ってきた家。







「………………。」






記憶を無くした俺は、自分で借りたボロアパートから親父の持ってるマンションに戻ってきてたみたいだ。








………ここに…俺は戻ってきてたのかよ……。







ムカつく親父に世話になって…全部やってもらって……?…










今更ながら、イライラしてしかたない。








…………………。





『はい?』


「………あ、直人?」


『陸?どうしたんだよ………?』


「…今から……会えるか?」


『あぁ。大丈夫だけど?』






直人とは近くのコンビニで待ち合わせすることにして、俺は電話を切った







…………直人は…





ホントは正樹な俺を。ずっと陸って呼んでてくれたのか…………








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