生きて。笑いたい。





「…………」


「…………」





それからしばらく続いた沈黙。

けどあたしはハッとして吉濱から離れる方法を考えた。




手を繋ぐなんて、あたしの中では規則を破っていた。






手って繋ぐだけで温かいから。





孤独感が無くなるから。



…だから早く離したいんだけど…




――ギュッ…………




強く握ってくるこの手をみただけで、


離したくないって思っちゃうあたしは。いったい何を望んでいるんだろう。





『独りになりたい。』



『誰かあたしに気づいて』



『早く離したい』




『まだ繋いでいたい』






どんどん矛盾してくる。



結局、あたしは流されてるんだ。






人が話し掛けてくれば離れるように冷たく接して。




独りになれば。皆あたしの事なんて何も分かんないとグチグチ言って。





バッカみたい……。



あの予告をされてから。あたしは死ぬんだって、



ずっと言い聞かせてきた気がする。





それまでは。皆の事を考えまくって、わざと突き放して…………。












…あたしは自分の気持ちを。そらしてきたのかもしれない









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