生きて。笑いたい。
それから、やり返そうとしてきた相手と久しぶりのケンカをした。
イライラしすぎてて、どうしても手加減ができなかった。
「おい。立てよ。俺が立たせてやろうか?」
「うぅ…………。」
「…………っおい!!陸!何してんだよ!」
倒れ込んでしまった男を立たせようとしていると、直人が止めに入ってくれた。
それで、やっと我に返った。
目の前には、ボコボコになって倒れている見知らぬ男…………
「…………っごめん…。」
「………う…っ。」
「ごめん…!ホント、俺……っ…。」
見知らぬ男だし。肩がぶつかっただけで怒るような人だけど…………
だからって。殴っていいわけがねぇ…
それだけの事で。この人を悪い人だなんて思えない………
「…………っ…」
「陸……」
「っくそ…。馬鹿じゃねぇの……俺…っ。」
自分の体で、嫌ってほど命の尊さは教わったハズなのに………。
苦しいことに。何度もぶつかってきたくせに………。
何で、人を傷付ける事しか出来ない………?。