生きて。笑いたい。







だから。この二人は友達で居られるんだ。







『そんなの綺麗事だ』って







けなす人は…沢山居るんだろうけど…………










綺麗でいて、何が悪いの?






こんなに真っ直ぐな人を。そんなふうには言いたくない。











「あたしも山本の事なら。好きになれそうだよ。」




「あっそ。」





「ねぇ、山本は何が怖い?」









普通の人って、一体何が怖いんだろう?








あたしもそーゆう頃はあったけど………もう、覚えてすらいない。


















「俺は俺じゃなくなるのが一番怖い。」




「どーいうこと?」




「俺は。誰にも靡きたくない。流されたりなんかしない。どんなに苦しくたって、悲しくたって、それを持って歩いてく。」





「………へぇ…」





「だけどな。時々どうしても自由を縛られなきゃいけない時があるんだ。」









そう話す山本は、凄く悔しそうで。













あたしが運動をしたくたって出来ない時のように。










走っただけなのにすぐ薬を飲まなきゃいけない時の気持ちのように。














そうしなきゃいけない自分が、どうしようもなく悔しいのと一緒だと思った。












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