生きて。笑いたい。











直るかもしれない。








「…………ホントに…?、」





「あぁ…。とりあえず詳しく話したいし。椅子に座ろう?」






そう言われてあたしは床から立ち上がり。近くの椅子に腰掛けた。







先生はそれを見て。『紅茶をくんでくる』と言い、違う部屋にに姿を消した。













「…………………」













何だか。拍子抜けしてしまった。













…治る?








あたしは、治るかもしれないの?

















今まであんなにも死に苦しんでいたのに。










まるで深い穴の底に居るみたいで、










拒んだってやってくる死への恐怖に気が狂ってしまいそうで。















「…………何…これ……」
















生きたいと願ってたハズなのに…………

















「…何で…っ………」










あたし。心の中で残念がっている。
















『せっかく。悲劇のヒロインだったのに』












『心臓病で苦しみながら死ぬなんて、かっこよさそうだったのに』














「…………っぅ………」










まだ病気にかかってない頃。少しだけ羨ましかったのを覚えている。












『せっかく心臓病になったなら、綺麗に。感動的に振る舞おう。』














あたしはもしかして…………。











どこかで…そう考えて、いた………?…





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