生きて。笑いたい。






そう思いながらも、先生が戻ってきたから急いで涙を拭いた。








コトッと、机にお茶の入ったカップが置かれる










「ミルクは入れる?」



「………いえ。」



「そう。」







そう言うと、先生は自分のお茶を一口飲み。あたしの方へ椅子に座って向かい合った













「………じゃぁ、話を始めたいんだけど…………」




「………はい」






「その前に、ちょっと良いかい?」









先生はあたしの目元を少し触った










「…い…っ……!…」





「………やっぱり腫れてる…一体どうしてこんなに泣いたんだい?」










あたしは腫れてる目で先生を見て、自分の事を話した。











「…あたし…病気になって、分かったんだ………。」









「…何をだい?」











「生きるって。こんなにも難しいんだね。」














あたし達は今。生きているけど。












この心臓が止まっただけで。動けなくなる。













「……………………辛い。」





「…………」






「辛いよ………先生……っ……。」













あたしは。その心臓が病気なんだ。














そう感じる事は。幾度となくあった











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