生きて。笑いたい。
あたしが立ち止まると、山本も立ち止まった
「………………神田。」
「………………!…」
痺れを切らした山本が、あたしの手を掴んだ。
っ温かい………!…
――バッ!!
「…………は…?……」
「……………っ……」
あたしは勢いよく山本の手を振り払った。
「…………おい…」
「………………っ…」
ダッ!!
山本の言葉を無視して、あたしは玄関へと走った。
今のあたしが走るのはいけない事だけど、今はどうでも良かった。
「はぁっ、はぁっ………」
「っおい!!!」
でも男の人に叶うわけがなく、あたしはしばらくした所で山本に捕まった。
「っ……はぁ…何逃げてんだ…」
「…………………」
――ポッ、ポツッ
――ザアアアアア…。
運悪く。雨があたし達二人を冷やし始めた