生きて。笑いたい。









自分がバカみたいだと思った。










あんな衝動的に、女を抱き締めたくなるなんて。












「…………………」











その1ヶ月後に。正樹と友姫の関係を知った。












…その日の夜に、俺は何でか眠れなかった。










「…………チッ…。」






別に気にしてなんかねぇ。














あんな奴。大嫌いなんだ










――――――――――――――
――――――――









――ザアアアアア………










…………俺は、神田が嫌いだった。











「…………………」




「…山、本………?…」






















生きることにくだらない考えや想いを持ち込む奴が、嫌いなんだ。

















「どうしてお前はあの時、泣いたりなんかしたんだよ…………」












あの時あの泣き顔を見なければ、







俺はこんな自分を知らずに済んだのに。















「…………離してよ………」








「イヤだ。」










――――ギュッ。












そうすれば、今日お前が笑った顔を見なくて済んだんだ。















……………俺は。神田が嫌いなんだ。












「………っ……。」












………正樹の事を好きな神田が、


















大嫌いなんだ…………。










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