生きて。笑いたい。
大切な人
【友姫】
山本とは、今まで特に話したことなんて無かった
嫌われてるのは知ってたし、目が合った事も1、2回ぐらいしかない。
――――ギュッ………。
――――ザアアアアア…
だから。それはあまりに突然で…………
「…………はな…してよ……」
「イヤだ」
離してって言ってるのに、離してくれない
「お願い…だから…………」
どうしたら良いのか分からなくて
あたしは声が涙混じりになってしまった。
すると山本は抱き締める力を緩めて、
あたしの身体を反転させた。
あたしの顔を除き込んで、辛そうな顔をする。
「…………泣くなよ………」
「………………っ…」
「………悪かった。俺が悪かったから…だから、泣くな…………。」
――――ドキッ
思ってたよりも整っていた山本の顔は、とても綺麗だった
伏せがちなブラウンの瞳に、胸が少しだけ高鳴る