生きて。笑いたい。

あたし。山本にあの話をしてもらってなかったら



今頃、震えていたと思う





山本が言ってくれなかったら、何かが………










何かが、変わっていきそうで、居なくなってしまいそうで、怖かった









心の奥でずっと願ってた




“居なくならないで”って















…お願いだから。




離れていかないで。





変わっていかないで。





「…………………」








山本の態度や視線が

昔の友達らみたいに




『友姫ちゃん!危ないよ!』




『神田!今走っただろ!いいのかよ!?』




…………変わってしまうのが



怖くてしょうがなかった















…………あたしさ、


山本の事好きだよ。









恋愛とか、そういうんじゃない。








でも



山本は、今まで正樹以外に居なかった



特別な、大切な人なの。











けれどね。











特別も、






大切も、







好きも、










それぞれ。違うの。














山本に対するこの『好き』は、ホントに大切なもの






正樹に対するこの好きも、大切なもの。







でも、この好きは…この大切は。







違う。










「…………………」





何かが、違う









なぜ、違うの?








同じ気持ちなのに、




何のために、違いがあるの?




…こんなにも違うのは、どうして?

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