生きて。笑いたい。





俺もこの間オマエの前で泣いちまったけどよ…………


















今泣くのはおかしいだろ












俺だったら絶対に泣けない。















…………俺らは恋のライバルなんだからな?





弱気になってられねぇだろ












――――ザアアアアアッ………





「…………ずずっ…」







正樹は泣きながら鼻をすすってる








情けねぇ奴だな










「……………ふぅ………」









にしても寒い…………









ため息で吐いた息が、白く空へと消えていく














――――ビュウウ………









…………寒すぎねぇ?









今夜は雪でもふるんだろうか…













「………くしゅんっ…!…」






「……………………」









正樹。









早く泣き止めよ。













俺は正樹に近づいて、頭を軽く撫でた










「………泣くな」






「……っ………………」






「これ以上泣いたら、神田を襲ってやる。」











そう言ったら、無言で泣き止んだ














馬鹿なくらい、素直な奴だ。















そんなお前が、俺は羨ましかった











< 274 / 316 >

この作品をシェア

pagetop