生きて。笑いたい。












しばらくただ立っていた。










「お友達。もう大丈夫ですよ。」








そう言われハッとして、俺は急いで正樹の事を見た。













「……………………。」

















緊張していた空気の糸がフッと緩んだ。












顔色は良いし。呼吸も規則正しく動いている
















「お友達…。どうやら貧血を起こしたみたい…………………」









「…貧血?」










「あんなに冷えてたら、倒れても無理無いわ…。今は良く寝てるけど、たぶん寝不足も倒れた原因ね。」















「……………………」

















貧血……………………














何だ。







ただの…貧血か…………

















肌が冷たかったのは雨に打たれすぎたせいだったのか………………


















「……………………」






「あら…?近くに行かないの?」











説明をしてくれてたナースが俺を不思議そうに見た。















「…………………ちょっと……、すいません………」












俺は下を向きながら










この病室を後にした

















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