生きて。笑いたい。
特に引き止める理由も無かったから、そのまま帰した
あたしは一人ぼっちの病室で早くも飽きてきた飴の味を噛み砕く
飴玉の全てが消えるのには、そう時間はかからなかった
…………何もすることが無いな……
…ここであたしは、今更ながら正樹が心配でたまらなくなった
……大丈夫なのかな
今、病院に居るのかな?……
気持ちがソワソワしだす
…………会いたい
「……………………」
……会いたい…な…………。
けど、あたしは自分の腕に繋がっている細いチューブをゆっくりと見た
………………ダメだよね
…勝手な行動は…………危険なんだ…………。
あたしは正樹に会いに行きたいのをグッと堪えて、ベットに体を預けた。
はぁ…
………………………なんでこんな身体なんだろう。
自分の身体の頼り無さに、思わず溜め息が出てしまう。
今、
あたしはこんなことも出来ないのか……
…………そう考えると、自分が小さく感じてしょうがない…。
「……………………」
あたしは寝た体勢のまま、
チューブだらけの自分の手を顔の前まで持ち上げた。
軽く握ってみたら、
チューブの動く音が微かに聞こえて、イヤだった
……あたしの手は…………………
あまりにも、弱々しい……。