生きて。笑いたい。
……―――――。
「ガラガラッ……―。」
今日もあたしは一番乗り。
高校に入学してから。ずっとそうしてきた。
いつかは分からなかったけど、死ぬまでに一秒でもこの景色を。この雰囲気を目に焼き付けておきたかったから。
けど、もう3ヶ月しか無いんだと思うと。もっとこの風景を見ておきたくなる。
あたしはドアの所で立ち止まって、ジッと教室を見つめた。
まだ誰も居ないから物音一つしない。
その静けさが、あたしの心を虚しくさせた。
…死ぬって事を。改めて実感させられたきがして
…思わず涙が出そうになっていた。
「あれ?神田?」
ビックリして勢いよく後ろを振り返ると。同じクラスの吉濱 陸【よしはま りく】が真後ろに立っていた。
「……吉濱…」
「おい!陸でいいって言っただろ!!クラスメートなんだからよ!」
みんなはこの男を陸と呼ぶ。
髪は真っ黒で、瞳も綺麗な黒目。整った顔立ちをしていて。皆に好かれていた。