生きて。笑いたい。


もう泣きたかった。


だって、元をたどればあたしが悪い…。







あたしのせいだ。





全部全部。何もかもあたしのせいだ…!…




けど、泣かない。


……強くなるんだ。



突き放せ。突き放せ…!。





「……吉濱なんて大っ嫌い!!」


「…………っ」


「嫌い。嫌い。…アンタなんか……」








――ドクンッ……―



「…………ア…ンタ…なん、か……っ」

「………?…」


「…違う……。違う…………!。」


「…神田……?」





――ドクンッドクンッドクンッ……―。






『……友姫…』



――ドクンッ!!







「あ……。っいや…だ…!!」


「神田!!」


「ヤダよ…!違う…!」


「…落ち着け!!神田っ…!。体……。」




そう吉濱になだめられても。体が震える。


気持ちがザワザワとざわついてる




『…友姫。俺は君が好きだよ…?』


『…うん。あたしも……』





「……!」


「……神田……。」



何だか分からない記憶が。頭を横切った。




…思い出にない。


相手が誰だか分からない。




……思い出すのが。怖い…!。




「……っ!」


「……神田?。」


「……まさ、き…?」


「…え……?」


「……そうだ…。正喜…!…木村。正喜…」





でてきたのは。1つの名前



その名前は。あたしが知らなかった思い出とピッタリとはまった。







『…正喜…!』


『…友姫!!』


『ごめんね?遅れちゃって……』


『いいよ。行こ?』





……そうだ。





この人を。あたしは知っている……―。

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