生きて。笑いたい。







凄く幸せな記憶だった。






二人で手を繋いで、顔を合わせて笑って…







「………………」






でも、どんどん





どんどんどんどん涙がでる。




……胸が痛くなる






「…………正、喜……」


「……神田…!?。お前…何で…!!」

「…違うっ…。駄目だよ……!。………………っ行かないで…!!」





…………『ごめんな?』






「…お願い……!行かないで…!」



「…神田さん……!?」



「……っもう…ヤダ…!…何で、思い出せないの……??。」



「神田さん……!?ひょっとして、…記憶、喪…失……なの…?」






…………ドクンッ





記憶…………?







あたしの記憶って……。







「……小学校、遠足に行った…!お泊まりもしたし、皆も覚えてるっ…!。……中学は…」






……あ、れ………?



「…中学……、入学して…。部活も、入って…!それから………っ…………卒、業…!?!」


「何言ってるの…!修学旅行とか、体育祭とか、沢山あんでしょうが!!」


「…………っ分かんない…!…何も。思い出したくないっ…!」





どうして?、




中学、二年の途中から三年の最後まで。





覚えて、ない……。






…怖い。





あたしは、何で生きてるの…!?





思い出がないのに。どうして生きてるの…?










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