生きて。笑いたい。






「…………どうして…?…」







…何故だろう。







心臓病になる前…。あたしの場合、小学四年生の時だ。







あの頃は、走り回るのなんて当たり前だったハズなのに。






どうして、あたしは走ってはいけないのだろう






……その理屈と同じように、






中学の頃、あたしには当たり前のように『その人』が居た。





傍に居て、隣に居て、笑顔があって、幸せがあって……







「………………」





なのにさ?






「……………っ…!?」






どうして、






思い出しただけで……こんなにも悲しいのだろう。






……今、どうしてあたしの隣に『その人』は居ないのだろう。













――…………ねぇ、過去のあたし…。








その頃は、幸せだったのでしょう?





楽しかったのでしょう?






嬉しかったのでしょう?――





じゃぁ、何で?





「………なんで…」






……なんであたしは今、これほどまでに不幸なのでしょうか。――







――ザアアアア…………






雨が本降りになってきた。






…落ちてくる水が。宝石のように輝いている。






…けど、手を伸ばしたって掴めない。






手の上で弾けとんで、消えてしまう…………









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