生きて。笑いたい。






この雨と一緒だ。






形はあるのに触れない。



掴めない。







……『記憶』という器はあるのに。そこに注ぐ『思い出』が無い






何にも入ってない…………




ただの空っぽな、
価値の無い記憶、







「……正喜…、か…………」







一体誰なんだろう。



あたしの好きな人は…







今。その人は…何をしている…?





どうしてその人とあたしは、離れたの……?






「……木村。正喜……」





『友姫……』




っ……違う…




『……神田……―。』






…ドクンッ……-







『……神田……お前。何で…!?』






吉濱…?。






「やだな…、何で吉濱…?。」






『自分が居なくなって皆が悲しむなら。嫌われて居なくなった方が良いって。…思うよな…………。
  それって、辛いよな…悲しいよな……凄く怖いよな…。』






「……ぁ…!」







『…死ぬのが怖いんなら。もっと生きて?。
…沢山生きて。飽きるほど楽しんで?。それで。笑ってよ。』







「あ……………………!」





吉濱。いいんでしょうか?







あたし。あなたが好きです。







『その人』が居たとしても。あたしはあなたが大好きなんです








どうしようも無いくらい。あなたへの気持ちが大きすぎるんです。











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