生きて。笑いたい。





「…痛い…………」






胸が。痛い…………






「……………………」






…………心。







……心だ











あたしが痛いのは。心臓ではなくて心だ。







「……泣いてる。」





あたしの心が泣いている。







この雨と同じくらいに。あたしの心が泣いている。






ザアアアア――




雨の音。





目を閉じて、ソレをただひたすら聞いた。






あたしの心の音も。ついでに聞いた。










聞こえるのに。聞こえない……







「……何を。言っているの…?」







何か言っているの。


でも。何を言っているのかが分からないの…









聞こえそうなのに…後少しってところで心が痛くなる







それが。痛くて痛くて、痛すぎて。




聞くのを止めてしまうの。






そんな思いをしてまで。聞きたいと思わなくて、




…………『もういいや』ってなるの……。







その考えが嫌いだから。




自分の心を、閉ざしてしまう…











……まだ、雨は降っているのに







傘をさしてあげなきゃ行けないのに……

















………あたしは馬鹿なことに……





どしゃ降りの心を見ないふりしてしまったの












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