生きて。笑いたい。





ていうか、空暗い…


「…今、何時?」


「もう8時よ…?先生から友姫が居なくなったって電話貰って…いつからここに居たの?」


「……確か、一時間目の少し前くらい…」




あたし12時間くらい寝てたの!?



こんな雨の中で!?




「よかった……、友姫。一時期息してなかったから…っ…!!」



「え…………?」



「ここに探しに来たら、友姫が倒れてて……。心拍数確かめたらっ。止まってて…!!」



「……ごめん……」


「ホント…。あたしずっと人工マッサージ、して……!っ怖かった……!!ホント。ホントに…」



「うん。…大丈夫。ごめんね?……大丈夫だから」



「友姫……、ごめんなさい…。あたし、何にもしてあげられなくて…!」





そう言って、お母さんは泣き崩れた。




――ザアア……




雨の中。お母さんはひたすら泣いていた。






あたしの方が泣きたい。





お母さんに泣かれる意味が分からない








……さっき自分で、言ったよね?





『あたし、何にもしてあげられなくて……』






そうだよ、何にも出来ないんだよ









……お母さんは、何にも出来ない。





だから、泣くのは止めて。








……あたしが泣けなくなってしまう








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