生きて。笑いたい。






この人の為にも。嫌われたいのに……









「………そう言えば、この前まで話したこと無かったよね」


「………………」



「…改めて、はじめまして。石田 美優です」






…………『はじめまして』なんて……

言わないで……









…………『さようなら』が、出来なくなる………









「……あたし知ってるよ?アンタがわざと…皆を冷たく突き放してるんだって」


「………………」



「実は。初めから知ってた…………二年生になって、アンタがあまりにも綺麗だったから……ずっとずっと、見ていた」


「……………………」





あたしを、見てた……?








「……神田さんはいつもそう。悲しそうな目をしてる…」



「……………っ…」


「…………ふふっ。どうしたら話してくれるのかな?」






くそ~…




絶対喋らないもん








口を開いたらあたし……泣いちゃいそう……




こんなにも、あたしを見てくれる人が居たなんて……









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