君とあたしと…彼。
「有紗!?」

「ゆう…」

「どうした?」



落ち着いて尋ねるゆうを
改めて大人と思う。



「…帰り、たく…ないよ」


それに比べてあたしは…
まだまだ子供だ。




「…んな可愛いこと言うな」


と抱き締められ、
そっと頭を撫でられた。



その行動にあたしの涙は
止まることを忘れていた。



「今日は返さねぇよ?」

「うん」



一緒にいたい…。

ずっと、ずっと…――。



< 124 / 209 >

この作品をシェア

pagetop