君とあたしと…彼。
「あ、有紗!」

「大地」

「あれ?1人?」

「まァね」



ちょっとふて腐れた態度を見せた。


「今日デートじゃなかった?」

「そうだよ」

「…有紗、今帰り?」

「……今日はお泊り」

「まじ?やるじゃん、有紗」



大地は2つの袋を持ち、
笑顔で歩き始めた。



「ごめんね、大地」

「いいよ、ゆうん家(ち)?」

「そう」

「じゃ玄関までな」

「ありがと」



さり気無い大地の優しさが
しんみり胸に沁みる。


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