君とあたしと…彼。
そっと聖夜に包まれ、
あたしは涙を流した。



「聖夜、聖夜…」

「ごめん、有紗」



死んだはずの聖夜が…いるんだ。


「俺、死んでねぇから」

「…でも」

「あれは色々あってな」



聖夜が笑えば…
あたしも笑うよ。

昔と変わってない笑顔。



聖夜は生きてた!
生きてたんだね…。

嬉しいよ…嬉しいよ。



「俺の側にいて?」

「……。」

「有紗?」



…今あたしの側には…
聖夜じゃない…ゆうがいる。



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