君とあたしと…彼。
そんなに優しくされると…
涙が流れるの知ってるくせに。


泣き顔を最後に
したくなったのに…意地悪だよ、ゆう。



それでも好きなのに…。



「今までありがと…有紗」

「こっちの台詞だよ」

「…最後にこれ」



街灯の光に反射して、
キランと光った何か…

あたしの手の平に落ちた。



よーく見るとネックレスだった。



小さなダイヤが埋め込まれ、
輝き続けるネックレス…。



「1年記念…遅いけどな」

「…ズルイよ!ゆう」

「だよな、今更だしな」


そうだよ…!
しかもこんな時になんて。



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