君とあたしと…彼。
一番感謝したい人物だよ。
ありがと…大地。

ほんとに…――。



家に戻り…
久しぶりに顔を合わせた…親と。



優雅にコーヒーを飲んでいるお父さん。

お皿を洗ってるお母さん。



「お父さん、お母さん」



2人に声掛けるのは
数ヶ月ぶりなわけで…
声が震えている自分がいた。



「…なんだ」



お父さんが返事をし、
あたしは口開いた。



「あたし…妊娠してるの」



そう発すると、
お母さんが水を止め、
あたしの側へと寄ってきた。



「冗談はよしなさい」

「冗談なんかじゃない」

「…おろすのよね?」

「生むから」



これだけは引けない。


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