君とあたしと…彼。
「有紗の好きなようにしなさい」


そう言ったのはお父さん。


「あなた?何言って…」

「その代わり…」

「何?…」

「この家から出て行け」

「……わかった」



この子のためなら
何だって出来る。


家を出るくらい…平気。



「お金は出す」

「…お父さん、お母さん…」

「……。」

「色々ごめんなさい」



深く頭を下げ、
リビングを後にした。


階段を上がる前に
お母さんの鳴き声が聞こえたけど…
あたしは自室を目指した。



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