君とあたしと…彼。
リュックに荷物を入れ、
そのままベッドに入った。


明日朝一で…
この家を出よう…――。



目覚ましを4時にセットし、
夢へと浸っていった…。



『幸せになれるの?』

『え?…』

『生まれたら幸せかな?』

『……。』



幼い声とともに
目覚ましの音が響いた。



さっきの夢は…
お腹の中の赤ちゃんの声?



「出なきゃ」


昨日用意したリュックを持ち、
階段を静かにおりた。




「有紗…」



リビングから聞こえた声…。



「お母さん?」


何で起きてるの?
顔合わせたくなかったのに。



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