君とあたしと…彼。
「これ持って行きなさい」

「…なんで?」

「いいから」



お母さんはお金と…お守りをくれた。


「あの時はごめんね?有紗」

「…っ」

「許されないこと言ったわね」

「…いいから、お母さん」

「いつでも戻って来なさい」

「…ううん、大丈夫」



そう返事をすると、
お母さんは優しく抱き締めてくれた。



久しぶりに感じるお母さんの
温もりを忘れないよ。



「元気でね」

「うん…じゃあね」

「…うん」



笑顔を残し…

あたしは家から出た。



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