君とあたしと…彼。
そのままベンチに
倒れ込むように夢の中へ。



『無理しないで?』

『してないよ』

『頑張りすぎないでね?』

『うん…』



妊娠をすると幼い子が
夢に出てくるものなの?

その声の主は…一体誰?

…お腹の子かな。



パッと目を開くと、
真っ暗だけど…
どこか温かい感触を感じた。



「…っ…」



上半身だけ起こすと、
見覚えのある部屋にいた。



そして…ほんのり香る
この甘い香りは……ゆうだ。


「ゆうの部屋だ」



だけどゆうの姿がない。



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