君とあたしと…彼。
次から次に流れる涙。


「何で泣くんだよ」

「っ…ゆ、う…」

「俺の前で泣くな…」



と言ってゆうは
ゆっくり抱き締めてくれた。


この温もりが一番…欲しかった。


何よりもずっと、
この腕が好きなんだ。



ゆうが…好きだもん。


「話しって何だ?」



ゆうの声は凄く優しく、
さっきまでの冷たい声なんかじゃない。


「あたし…ゆうが好き」

「…今更何だよ」

「今更なんかじゃないよ」


あたしはゆうから離れ、
ちゃんと見て言いたい。



「聖夜とは別れた」

「は?」

「…ゆうが好きだもん」



どうしてかな?
何度も言ってきたはずの言葉が
今言うと凄く恥ずかしい。



< 178 / 209 >

この作品をシェア

pagetop