君とあたしと…彼。
「有紗は俺がもらう」


強く抱き締められ、
耳元でそう告げられた。



「ゆう…色々ごめんね」


ただ…あたしは、
ごめん。としか言えなかった。



「心配するな」


優しい笑みを見たのは
ほんとに久々だった。



滅多に笑うことのないゆう…。


「姉貴に報告するけど」

「…うん」

「有紗はここにいろ」

「でも…」

「いいから」



部屋にあたしを残し、
ゆうはリビングへ消えた。

数分して2人の声が聞こえた。



< 183 / 209 >

この作品をシェア

pagetop